2017年8月7日月曜日

「地域包括ケアシステムは耕すところから」という話を耳にして感じたこと


今日は介護支援専門員の法定研修での演習指導の予定でしたが、、、

台風5号の影響で休講、順延となりました。

夏の甲子園と一緒で昨夕のうちに連絡が入りました。」

おかげで、自宅でのんびりと、、、ごそごそ過ごしました。(笑)


最近のケアマネジャーさんの研修で、

個別ケースから地域課題の抽出といった流れがあります。

そのこと自体は大事なことで、

丁寧に取り組んでケアマネジメントの機能としても

ケースアドヴォケートからクラスアドヴォケートに移行する

思考の流れにも繋がると感じているのですが、、、


国や地方行政も

ついこの間、このような学びを取り入れて

実際の現場でもすぐにできると考えられているのではないか?

そんな風に考えていないかしらん?

って、懸念しているのです。


話をグーッと現実に向けてみると、

個別支援のアセスメントを行うときに、

クライアント個人は家族という社会に属していて、

いくつかの課題は家族との関係性の中で生じている。

そしてクライアントを構成員として含めた家族は、

近隣のコミュニティや、職場といった構成員個々が繋がっているコミュニティの影響を受けている。

また、それらの家族外とのつながりは地域の中にある場合も結構ある。

このようなクライアントシステム全体を見ようとしているケアマネジャーがどれくらいいるのだろう?


まず、ケアマネジャー一人一人がそのような視点で課題を捉えようとしなければ!

その上で、地域を耕すための繋がりを丁寧に作っていかなければなりません。

地域の中で、個々のケースを支援するチーム作り、

よく言う「顔の見える関係」


そうして、たくさんの「顔の見える関係(チーム)」ができてきて、

それぞれのチームで似通った課題を共有したときに、

地域の中でそれらを解決するための土壌が育まれてくるのです。


本当にコミュニケーションができる仲間作りなしに

形だけのチームを作っても機能しません。

コーラスにに興味の無い人集めて合唱団作っても

良い合唱はできません。

「合唱って楽しいですよ」って伝えて、

まず、興味を持つ人から仲間を作り、形を作っていかなければ。


そうやっていくことで、

「自分たちも安心して暮らせる地域になってきたね」と。

そういう実感が積み重なっていくことが、

「耕す」ということで、

一鍬一鍬いれるように、人と人をつないで、

地域という畑が柔らかい土となり、

「自分らしく安心して過ごすことができる地域とは、

お互いに支え、支えられる(支える人と支えられる人が混在している)

関係がある地域なんや」という考えが肥料のようにも行き渡ったところに種を蒔くから、

芽がでるんです。

そして茎が伸び、葉が開き、花が咲く。そしてやっと実る。

そう、やっとの事で本当の意味の地域包括ケアシステムができると思います。


「報・連・相」という考え方が、

山種証券の山崎社長が意図したことと違って形骸化してしまったように、

「地域包括ケアシステム」も今のまま進めていけば

中身の詰まったものにはならないように感じています。




2017年8月1日火曜日

ちゃんと「伝える」ことなしにチームはできません


8月になりました。(笑)


昨日アップしたブログの最後で

ケアマネジャーのグループ演習での

コミュニケーションが気になるというようなことを書きました。


ケアマネジャーの法定研修の多くの時間はグループワークです。

他府県の様子をたくさんは知りませんが、

兵庫県ではそうです。


個人ワークで自身の考えをまとめて言語化して、

次に、グループ内で発表し合って共有する。

というような進行がよくとられます。


そのときにです、

発表している人が他のグループメンバーの人とアイコンタクトしていない。

うつむいて、自分のメモを読み上げるように発表する。

そう、伝えるというより、読んでる。

他のグループメンバーも、発表している人をほとんど見ずに

うつむいてメモをとる。

これがグループにおける共有といえるのでしょうか???


コミュニケーションとは「伝える」という行為です。

「ことば」は大切ですが、非言語の方が力を持っているのは

皆さんご存じの通りです。



私はグループ演習で、

追加資料やポストイットなどの物品を

事務局の方に配らずにいてもらって、

グループの誰かに取りに行ってもらうことをします。

上げ膳据え膳の研修が嫌なこともありますが、

そういったシチュエーションで

どの様なコミュニケーションが生まれるのかを観察したいからです。


取り入った方が物品等をグループに持ち帰り、配布するとき、、、

ほとんどのメンバーが「ありがとう」を発しません。

「係なんだから取りに行って当たり前」という感じです。


いやいや、取りに行ってくれたのだから

たとえ係であっても「ありがとう」は云おうよ!!


相手の思いを、非言語も含めてちゃんと聴き、

自身の思いを、相手を見てちゃんと伝えようとして、

自身のために動いてくれたのなら、
(体だけでなく、心を動かしてくれたときも)

感謝しようよ。


そのことができないで、

チームアプローチなんてできないし、

地域包括ケアシステムなんて

ずーーーーっと先のまた先のお話だと思うのですが、

いかがでしょうか?