2017年9月29日金曜日

福祉人材確保と育成のことについて


またまたサボってしまい、2か月近くアップしていませんでした。

9月も今日と明日の2日のみ、、、ごめんなさい。


9月26日

第11回社会保障審議会福祉部会福祉人材確保専門委員会

介護職キャリアパス実現に向けた報告書をまとめられています。

・入門的な研修を新たに設けて担い手のすそ野を広げる。

・介護福祉士の養成カリキュラムの見直し、資質や社会的評価の向上。

・より高い能力を持つ現場のリーダーを育てる研修プログラムを設ける。

これらの3本柱があげられています。


これまでにもいろいろと策は練られてきていますが、

今回は

「関心を抱いた人に実際に参入してもらえる仕組み云々・・・」ということらしいです。

ただ、

本気で対人援助の専門職として関心を抱く人がどれくらいいるのか?

という疑問が湧いてきます。


医療という対人援助のモデルは

「病気やけがを治療して健康を目指す」という

言わば非常にわかりやすい基本があります。

対して社会福祉の援助モデルは、、

個々の自己決定を支える「その人らしい暮らし(生活)」を支える

「自立支援の実践」という

分かりにくい、難解な型です。

なので、おそらく「自立」を狭義の「自分のことが自分でできる」に偏ってしまうように感じます。


「その人らしさを認め合う」ということは「自己決定の尊重」であり、

そのことは、個々の権利でもあります。

そういった意味で「福祉援助」は、権利擁護の実践です。


人材確保するためには、

この辺のことを専門職養成の過程に組み込むことはもちろんですが、

もっと若い世代、いや幼い世代の時に伝える必要があると思います。

それも理屈で「その人らしさ」や「その人の気持ち」の「理解(知る)」をするのではなく、

「感じる」こと共感力が必要です。


「福祉教育」「福祉学習」の取り組みを高齢者や障がい者に特化して行うのではなく、

人間理解をベースにした人権学習の視点で実施する必要があると考えます。

「人は社会的な生き者である」ということを

幼い時から学べる環境を作っていかなければ、

良き福祉実践者としての人材は育たないように思うのですが、いかがでしょうか?




6 件のコメント:

串本 さんのコメント...

いつも勉強になります。先生の自立の狭義で「自分のできる事が自分でできる」できている事を維持できるようにサポートする。という援助の仕方は正解と信じていました。ケアプランを作る上でもこの事を意識していました。しかし、先生の文章を読んで、それだけでは本当にその方に自立した人生を歩んでいけるような援助にはならないような気持ちになりました。
その人を認める事や、その気持ちを感じる事は、対人援を助行う上で基本として持っておきたい事だと思いました。

macoto さんのコメント...

親愛なる 串本さま
コメントありがとうございます。

「自立支援」ということを考えるときに、
「その人の生活に関することを自分でできる」
ということは基本的な考え方です。等々、
「できていることを維持する」
「できないことをできるようになる」
等々、この視点は重要ですよね!

ただし、その視点だけで考えると
重度の障害を持った方は自立できないことになります。

私は大学を出てすぐに
当時の名称でいうところの「身体障害者療護施設」に勤めました。
身体障がい者福祉法に位置付けられる
最重度の障がい者が生活する施設です。
その施設の使命は「利用者の自立支援」とあるのです。
狭義の「自立支援」だけだと到底無理な話です。

ICFの概念図で考えてみると
支援の目標は、
「心身機能・身体構造」の改善ではなくて
「活動」や「参加」レベルでの達成です。

麻痺のために調理を行えなくなった人が、
「麻痺を治す」ことを目標にされると達成はきわめて困難です。
「調理のできる部分を」「行う」とか「増やす」とい目標であれば、
方法を考えれば可能ですし、依存することも方法の一つです。

その方法の一つが、可能であるのなら「リハビリで麻痺側の運動機能を広げる」みたいなことが考えられることも必要です。
生活課題を解決するために使える者・物・事等はすべて社会資源ですから、
一番に考えるのは本人の力です。

最近、ブログ更新をサボっていてごめんなさい。

また、ひょこっと書いたりするかもですので、
気長にお待ちください。

匿名 さんのコメント...

本日の兵庫ケアマネ研修の講義生です。これまで先生の事は存じ上げませんでしたが、とても有意義で為になる内容でありがとうございます。ツイッターなどはされていなのでしょうか?先生の発信に期待します。

macoto さんのコメント...

匿名さま
コメントありがとうございます。

SNSはフェイスブックはやってますが、ツイッターはしていません。
メールアドレスも公開しています。
が、昨日の研修終了時にお話ししましたように
原則、匿名のメールは応答していませんので、
メールの件名欄に、稲松との接点とお名前をいただければと思っています。
FBでも、友だち申請だけされてもペンディングということになるので、
メッセージ等で別途ご連絡して欲しいと思っています。

また、機会があればメール等くだされば幸いです。

匿名 さんのコメント...

2018年2月28日西区民センターでお話しを初めて聞かせて頂きました。
これから少しずつ傾聴について深めていきたいと思い、私自身の求めていたお話し内容でした。
特に専門職についてるわけではありませんが機会があれば仕事の都合がつく限り参加させていただきたいと思っています。

太地 さんのコメント...

ブログ読ませていただきました。
話を聞く事は大事だとわかっています。相手を受容する事で信頼関係を積み重ねていきます。でも聞く事だけが楽になり、聞いて感じて考えて思いとどまっています。感じて思った事を返して、生きた対人援助ができるように、頑張りたいと思いました。