2017年6月29日木曜日

「自立支援」には「全人的理解」が必要


相変わらず、

対人援助の基本的なお話や、

事例の振り返りをしながら学びの時間を共有する日々を過ごしていました。


この間、感じたことは・・・

「自立支援と全人的理解とは」ということです。


「自立」ということに関しては、

「単に自分の生活を自分で賄える」という意味ではなく、

「自分の暮らしを自分で選択して生きる」という

「自己決定」をキーワードにした「自立」ということを予てからお伝えしてきました。

だからこそ、「自立」ということが「その人らしい暮らし」に結びつくわけです。


であるとすれば、

アセスメントにおいて利用者の課題を明確化する際にも、

目標となる暮らしは「その人らしい暮らし」になるわけで、

単に、健康に関して病歴や現病歴、服薬の状況、

ADLやIADL等々の身体的側面だけでなく、

「どのような暮らしを望むのか」というところに意識が向く(行く)必要を感じます。


「どこで、誰と、何をして、どの様に暮らすのか?」

そのために、健康をどの様に管理する(病とどう付き合う)のか?

何ができるようになって、どの部分をサポートしなければならないのか?

という思考になるはずですよね。


そのときに、我々の理解とは違う「希望」が表明されたりする。

非常にユニークな「こだわり(価値観)」を主張されたりする。

そういうクライアントさんが出現したときに、

「なぜ、そうなのか?」を考える必要が出てくるはずです。


そうすれば「自立」を支援するためには、

クライアントを「全人的」に理解する必要が出てくるのです。


そのためには、

「認知症の」や「アスペルガーの」や「統合失調症の」というところを

入り口にしてクライアントを見ないことです。

これらの疾患名や障がい名は重要な情報ですが、

一部です。

全人的なその人のほんの一部です。


まず人そのものを理解したいという思いが大切だと感じています。

0 件のコメント: