2016年7月7日木曜日

ワークシートは、テストの解答用紙ではありません


今日は、介護支援専門員更新研修でした。

現?旧カリキュラム最後のコースです。


ICF(国際生活機能分類)に合わせた、

情報整理のワークシートを使って、

アセスメント情報の整理作業を行いました。


そのときに感じたことは、

受講生の方々が、

「シートの枠をすべて埋めなければならない」

と感じておられる節があることです。


ワークシートは試験の解答用紙ではないので、

無い情報は書きようがないのです。

実際は、空欄になっている情報を

その後のアセスメントで必要に応じて確認するのです。


情報の整理作業と

正しい解答は、

全く別物です。

2016年7月6日水曜日

何を目的にボランティア活動をされますか?


今日は午後から篠山市で傾聴ボランティア養成講座のお仕事でした。

先週からの続きです。

養成講座と云いながら、

過去の講座を受講されて、既に活動されている方も数名いらっしゃいます。


今までの活動史の中で、かつて

「傾聴ボランティアだから、聴くことに徹して自身からは話をしない」

という意見の人が居られて揉めたことがあるそうな。


確かに、「傾聴」は人の話をしっかりと聴く行為のことだから、

そういう意見も間違いじゃないと思うけど、

私は、施設等での「傾聴ボランティア」は、

謂わば「話し相手ボランティア」ですから、

「白か黒か」「100か0か」の世界ではないと思っています。


相手が話を聴いて欲しいときには、しっかりと聴き、

話の流れで、こちらが話したことで

相手も楽しい時間が過ごせれば、それでいいと思います。


楽しい時間を過ごすためには、ある程度のマナーは必要だと思いますが、

ルールをいっぱい作って「こうあるべきだ」や「ねばならない」に

縛られてしまうと本来の目的が忘れられることになるように思います。


ボランティア活動は楽しいモノでなければ続きません。

でなければ対象者のかたも楽しめないでしょう。


何を目的にボランティアをするのか?

それは押さえておかれた方がよいと思います。

2016年7月5日火曜日

「聴く」ことから始まる。


今日は、朝は大学。

午後から北播磨地区の「心配ごと相談員」さんの研修でした。


テーマは「相談援助と傾聴」です。


一般的に「相談」と聞くと「何かアドバイスしなければ」とか、

「問題を解決するために何かしてあげなければ」と感じやすいのですが、

まずは「聴く」ということからです。

相手が「何に困っていて」「どのように不安なのか」を聴き、

「どのようになりたいのか」「何がどのようになれば前に進むと感じているのか」を聴き、

「現状をどのように認識し、感じているのか」を聴き、

そして、自分の考えを入れずに、

もちろん否定や避難もせずに、とりあえず受け止める。


それとは別に、現状が客観的にはどのようになっていて、

関わっている他の人たちはどのように考え、感じているのか、

等々についても情報を得、そしてそれらの情報がどのように影響し合っているのかを考えます。


その上で、現状の何を動かしていけばいい方向に変わっていけるのか、

それを見立てた上で、あっとアドバイスや支援策に入っていけるのです。


そう、相談援助の入口は「聴く」ことから始まります。

2016年7月4日月曜日

自らの情報を発信すること!


今日は、兵庫県地域包括在宅介護支援センター協議会の新任職員研修でした。

皆さん、まじめに受講されていて、

特に、午後からのロールプレイでは皆さん真剣に取り組まれており、

最後、

「明日からの業務で一つでも意識して取り組んでいこうと思うことがありましたか?」の問いに、

ほとんどの方が手を上げられていて、ホッとしました。


ただ、今日の研修で気になったことは、

リアクションが薄かったこと。

特に午前中。

全体に呼びかけても、言語・非言語両方の反応が少ないのです。


受講生さんのリアクションが薄いなぁと感じることは、

時々あることなんですが、

今日は、午後の食後のアイスブレークで

「仲間作りゲーム:稲松がお題を出して、それにあった仲間(グループを作る)」をしたときに、

全体で45人とそんなに大勢でもないのに、

「同じ誕生月の人で、グループを作ってください」というお題で、

分裂している月があったり、

「観る、やる、どちらでも構わない、同じスポーツが好きな人のグループ」でも、

同じスポーツで複数のグループに分かれていたりしました。


稲松が、このことが引っかかるのは、

「要するに、リアクションが薄いということは、

 コミュニケーションにおける情報の発進力が弱いということで、

 情報発信力が弱いから、

 同じ特性やの思いを持つ人々とつながりえなかった」

という仮説が稲松の中に起こったからです。


もしそうであれば、

地域の中で資源同士の調整やつなげる仕事をする包括支援センター職員にとって、

「かなりしんどいことだろう」ということです。

調整や連携をするためにも、自分の意見や思いを発信する力が必要だと感じました。



2016年7月3日日曜日

「備えあれば、憂いは少なし」


今日は午前中にコミュティセンターの主宰で防災研修会があり、

加古川の防災センターに行ってました。

センター概要の説明の後、
・風水害に関する講義
・煙の立ちこめるビルの脱出
・消化器訓練
・地震体験
最後のにまとめの講義
全部で1時間40分ほどでした。

神戸でつとめていた頃に、

聞いた内容、体験したモノでしたが、

久しぶりに聴かせていただき体験して、

忘れていたり「そうそう」と思っていても、

何もできていない部分等があり、

あらためて、基本的な学習の反復は重要だと感じました。


それから、日頃の備え、

言い換えれば、想定内を広げておくことで生まれる余裕、

この部分が、いざというときに役立つのだとも思いました。


午後からは“のじぎく会館”で主任ケアマネジャー更新研修の講師説明会だったのですが、

今年から初めて導入される更新研修。

今までの積み重ねがない分、委員の皆さまが練り上げたシラバス。

研修プログラムで、抜かりはないように見えるのですが、

その研修プログラムでも

受講生が「こういう解釈をした場合」

「個々の演習に手間取った場合」等々

細かく見ていけば、不安が出てくるモノです。

参加メンバーで話し合い、

演習シートに手を入れで見たり、

質問に対する回答例を考えて見たり、

押さえていきます。


ケアマネジメント等の対人援助においても、

基本的な部分の反復学習、

モニタリングの視点に置けるリスクの見積もり、

それぞれのシミュレーションの準備などは大切な視点です。



「備えあれば憂いなし」とは行きませんが、

「備えてなくて、不安だらけ」にだけはなってはいけません。

2016年7月2日土曜日

本来の目的を見失わないこと。


今日は午前中に兵庫県介護支援専門員協会の

“気づきの事例検討会”推進運営委員会研究部会がありました。

今年度の主任介護支援専門員研修の振り返りの後、

メインは9月開催予定の“気づきの事例検討会”支部推進員研修会の内容について。

あらかじめ推進員の皆さんにご協力いただいたアンケートとも参考にしながら

毎年のごとく「あーでもない、こーでもない、、、」と真剣に案を出しながら話し合います。


アンケートの中からは、「司会が難しい」とか「質問が難しい」といった意見が、

毎年レギュラーのように上がってきて、今年もやはり多いという結果でした。

司会や質問のについて学ぼうとすると、
トレーニングのためには、

コミュニケーションスキルや思考のプロセスを明確化するほうほうがあると思います。

が、個々で注意したいことは、

「『司会進行役が上手にできること』『質問が上手にできること』が目的ではない」

ということです。


そもそも“気づきの事例検討会”を行うのも、それ自体が目的ではなく、

「個々の実践力を高めたい」という目的があり、

もっといえば、「そのことで利用者によりよい支援ができる」

ということが目的です。


最終的なゴールともいえる「目的」をしっかり押さえることが重要です。

「“気づきの事例検討会”が行えるようになること」

「その中でアセスメントがしっかりできること」

「そのために質問がちゃんとできるようになること」

などは、手段ともいえる短期の目標であることを押さえる必要があると感じました。

2016年7月1日金曜日

地域のネットワークづくりは「急がば回れ」


今日は、神戸市の地域福祉ネットワーカーさん対象

「気づきの事例検討会」導入研修でした。


地域福祉のネットワーカーさんなので、

本来、地域課題を解決するために

地域の力(既存・新規問わず社会資源)を繋いでいく役割です。

個別のケースを解決したりすることは原則、お仕事ではありません。


ただ、ある意味、地域課題というのは個別ケースの課題の集積ですから、

個別課題をアセスメントする力がないと、

地域の課題には到達しないはずなのです。


そう考えれば、地域における多職種による事例検討会が必要になります。

高齢者の区分では地域ケア会議がそれに当たるのでしょう。が、

問題対処方で、解決策を導き出すことに主眼が置かれているために、

その事例のプロセスで何が起こっていたのかが検証されにくいのではないかと感じています。


ネットワーカーさんは、立ち位置から考えると

高齢者、障がい者、児童、貧困、その他生活困窮者の支援のためのネットワークづくりがお仕事ですから、

様々な事例を検討し、地域課題に結びつけることが求められます。


ということは、そんな簡単にネットワークは形成されません。

何せ、個別課題の集積と共有が必要ですから、

焦って形だけを作っても、それはネットであって

ネットワークにはなりません。

じっくりと取り組む方が得策と思われます。

急がば回れです。