2016年7月31日日曜日

「研究」ということ

今日は、午前午後と兵庫県介護支援専門員協会の生涯研修。

3年ぶりに渡部律子先生をお迎えして、「研究」をテーマにしての学びの時間でした。

実は、受講しようと思って5月の半ばにホームページを見たら既に一杯で応募締切でした。

で、研修委員の立場でスタッフとして参加させていただきました。


今日の研修で感じたことは、「研究」という言葉で尻込みするのではなく、疑問を感じたことやもっと知りたいことについての「なぜ」を明らかにする方法なんだ。ということです。

関連する理論等から仮説を立てて、その事を解き明かすために、調査や実験等によって検証する。それを考察して結果をまとめる。その結果の意味を整理してまとめる。それが今後の実践の根拠となる。

考えてみると、クライアントをアセスメントするプロセスや事例を振り返るやり方も、基本的には同じような仕組みがあるということですよね?!

兵庫県対人援助研究所を名乗っているのだから、今一度、「研究」ということについて向き合ってみることも必要ですね。

2016年7月30日土曜日

イメージのための繰り返し作業


今日は土曜日、晩方にコーラスの練習がある日です。

用事は、それくらいで買い物以外は家で過ごしています。


練習に向けて、歌詞のページがない曲について、

ぼちぼちと歌詞を調べてページを作ります。

もちろん楽譜には音符に歌詞が付いているのですが、

ひらがなであるのと、コーラスの場合はパートによって

歌詞を全部歌わなかったり、余計に繰り返しが入ったりするので

詩 そのもののイメージをつかまえるために

もともとの詩が必要になるからです。


私自身が詩を書いたわけでもないのですが、

詩を何度も読むことで、

「こんな気持ちだろうか?」

「どのような景色を見ていたのだろうか?」

と、想像して

「じゃぁ、こんな風に歌えばいいかしら」

「もう少しテンポを落としてみよう」

と考えるからです。


アセスメントの時に、

クライアントが語る言葉を記録して

何度も振り返ることで気づかなかった気持ちに触れてみたり、

より深く理解できることもあるのではないかと思います。

知り得た情報から、イメージする力は重要だと感じます。

あっ、決して妄想ではありません。

妄想は、根拠のない想像の広がりですから。

2016年7月29日金曜日

ボランティアという社会資源が登場しないのは?


今日は、篠山市の傾聴ボランティア養成講座でした。

4回シリーズの最終回、体験実習の振り返りでした。


受講生の中には、

傾聴ボランティアとして地域での活動を実践されている方もおられました。

自らのフォローアップのために受講されたとのこと。

「素晴らしいなぁ」と、関心もしたし、

お話を聴いていて、

利用者さんの生活に欠かせない存在となっておられるともお見ました。


ただ、そういう活動をされている方からも、

認知症の方のお宅に伺っていて、

どのようなことに留意したらよいのか?

万が一、被害妄想の対象になったらどうすればよいのか?

という質問が出てくるのです。


私は、「一人で抱え込まずに、社協のボランティアセンターに相談してくださいね」

と、答えると同時に

「ケアマネジャーさんや地域包括支援センターにも相談した方が良いですね」

と付け加えます。

なぜなら、そういう方の多くは要介護認定を受けておられ、

他の保険対象サービスを利用されている場合が多いからです。


本来は、そのボランティアの方は支援チームの一員であるし、

ケアプラン上に位置づけられていて良いはずの人だからです。


昨日のまでのケアマネジャー専門研修Ⅰでも、

多様な社会資源をといいながら、

ボランティアを位置づけるケースはほとんど見受けられません。

災害復興支援や行事等のボランティアのイメージはあっても、

日常生活支援におけるイメージがあまりないと思われます。


ボランティアの方も、

チームが関わっていることと自分たちの活動は別だと思っている方がほとんどだと思います。

ここんところを、ケアマネジャーはきっちりコーディネートする必要があります。


そのためには、

ケアマネジャーがボランティア活動ということについて

ちゃんと勉強することが必要です。


そこでの留意点は、

フォーマルの不足をボランティアで埋めるとか、

ボランティアを利用するという発想は間違いであり、やめると云うことです。

ボランティアのもともとの意味は自発性であって、

自らの意思で活動している方だからです。


ボランティアの方の希望とクライアントのニーズが一致するとき、

ベストコーディネートができるのです。

ぜひ、ケアプランにボランティアが登場しますように!!

2016年7月28日木曜日

様々なテーマを包含しているのがケース  ~ケアマネ研修新カリの演習指導をしてみての感想~


月曜日から4日間、

ケアマネジャー専門研修Ⅰの演習指導でした。

25日のブログにも書きましたが、

7つの科目に分けての事例を用いてのアセスメントやプランニング演習。

1科目、講義を含んでの4時間。

合計28時間。


一つ一つのテーマによる着眼点は分るのですが、

そもそも事例には様々なテーマが包含されています。

例えば、ターミナルケースで病院から退院

当然、医療との連携は必須ですし、在宅のケアで核を担われるのは看護職です。

もちろん、家族支援の視点も必要ですし、多様な社会資源が必要です。

こうやって見て、少なくとも4つのテーマが複合的に絡んできます。


この一つ一つのテーマを別々に4時間ずつやると、

事例の深まりは表層的だと感じました。

一つの事例で、4つのテーマについて押さえながら、

16時間かけてやる方が、詳細にわたるアセスメントの視点や

プランニングにおける留意点を考えられるように感じたのです。


しかも、受講生は同じような演習を繰り返すマンネリ感というか、

ストレスが軽減されて、強いては実践につながる学習効果があるように思います。


結局、ケアマネジメントにおいて、

「こういうケースは、こういう風に対応すれば

必ず効果が上がる」といったものはないのですから。

テーマによる特徴のようなものは同一事例でも伝えることは可能だと思うのです。


今の形の研修(演習)の方法は、

とても時間がもったいないように感じるのは私だけでしょうか?

2016年7月27日水曜日

「伝える」というコミュニケーション力を鍛える


今日もケアマネジャー専門研修Ⅰの演習講師のお仕事。

専門研修Ⅰだけではなく、

ケアマネジャーの法定研修研修のほとんどは、

個人ワークとグループワークで進んでいきます。


模擬事例に対するアセスメントやそのプロセスの検証を

個人ワークで、考えてグループで共有し整理していく過程を繰り返すのがほとんどです。


グループ演習ではコミュニーションを取らなければ進みません。

相手の考えを聴き、理解して、そのことについて考察し、

考えたことや感じたことを伝える。

この作業を何往復も行うわけです。


相手の話を聴くという行為は大切です。
(稲松は、相談援助面接の基本は傾聴だと考えています)

が、自身の考えを伝えることだって同じように重要です。

そのためには、自分の考えたことは表出しなければなりません。


今日の帰りの電車の中で、

高校生とおぼしき男子二人がボックスタイプの優先座席の近くに立っていました。

ある駅で、その座席が一つ空いたのですが、その高校生は座りません。

「ほっほ~う、優先座席だからかな、、、」と思ってい見ていると、、、

赤ちゃんをだっこした女性が乗ってきていたのです。

その高校生を見ていると、

明らかに「その女性が座るべきだよね。」というそぶりですが、

ボックス席故に、その女性は空席に気づきません。

そのまま、数駅が過ぎ高校生も女性も降りていきました。


普通に思いました。

「なんで、声をかけへんねん?!」


ちゃんと自分の思いを伝えることしませんか?

コミュニケーション力が落ちてきていると感じた瞬間でした。


研修の講師をしていると、

ケアマネジャーだってじっと黙っている人をよく見かけます。

通常はよいと思うのですが、

ケアマネジャーはクライアントの代弁を担うのですから、

そこのところは鍛えておく必要がありますね。

2016年7月26日火曜日

今朝の事件に、憲法13条を思う


今朝、目覚めて一番に飛び込んできたニュース。

悲惨な、酷たらしい事件。

権利擁護の実践現場で起こった殺人という

最も重篤な権利侵害。


昨日に引き続いてケアマネ研修の演習指導。

通常通りに指導は行えたと思うが、やはり心は重たかった。

受講生に伝わらなければよいが、、、


元施設職員による暴挙。


悲しさと、憤りが襲ってくる。


「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」

憲法13条の意味を噛みしめる一日であった。

これを実践することこそが、

積極的な権利擁護であり、

社会福祉援助の核であると、

私は信じています。


亡くなられた方のご冥福をお祈りします。

おけがをされた方々には心よりお見舞い申し上げます。

2016年7月25日月曜日

ケアマネジャー専門研修新カリキュラムが始まってます


今日は、介護支援専門員専門研修Ⅰ新カリキュラム演習指導。

兵庫県では、社会福祉協議会の研修所が、新カリに合わせて独自のテキスト(ワークブック)を作成しました。
新カリキュラムでは、「ケアマネジメント」を

7つの項目別事例を用いて学びます。

専門研修Ⅰでは、模擬事例によるプロセスの検証、

特に、アセスメントからプランニングの部分を行います。


そして、ワークブックには、

「リハビリテーション及び福祉用具の活用に関する事例」
「看取り等における看護サービスの活用に関する事例」
「認知しょおうに関する事例」
「入退院時等における医療との連携に関する事例」
「家族支援の視点が必要な事例」
「社会資源の活用に向けた関係機関との連携に関する事例」
「状態に応じた多様なサービス(地域密着型サービス、施設サービス等)の活用に関する事例」

の7つの事例に関する基本的な視点と演習で用いる事例を

それぞれの項目を分担してテキスト作成のワーキングメンバーが執筆し、掲載されています。

そして、最初の演習日は原則執筆担当者自身が、講義と演習の進行を担うという段取りです。


稲松は「家族支援の視点が必要な事例」の部分を執筆させていただきました。

講師業をしていますので、講師をすることにな馴れていますが、

それでも、いわば初ネタおろしですので、

それなりの緊張感はありました。


ただ、ワークブックの中身がかなり錬られていて、

演習自体も、それに沿って進められる作りになっていますし、

講義部分は、テキストに沿ったパワーポイントも作成していたので、
(稲松がパワポイントを作成することは非常に珍しいのです)

講義部分も、時間内でお伝えしたいことはお伝えでき、

演習も、大きな混乱もなくできたように思います。


ただ、研修スタイルだと(同じパターンの演習を繰り返す)、

受講生は、事例は変わるけれど同じ内容の演習を7回繰り返すので、

とても辛いだろうなぁ、、、と感じました。


ただ、繰り返すことで、

「ケアマネジメントの中のアセスメントのところで

どのような思考プロセスをたどるのか」

という実践のトレーニングをできるのかな?

と感じました。

そうです「修行」の一環だと思ってください。


あっ、それからこの書籍は兵庫県社会福祉協議会で販売しております。

詳しくは、兵庫県社会福祉協議会のホームページをご覧ください。