2017年3月12日日曜日

ラグビーから対人援助を考える


昨日と今日の2日間、

介護支援専門員第16回近畿ブロックの研究大会に参加してました。

兵庫大会、新神戸のホテルが会場でした。

昨日の記念講演は、元ラグビー日本代表で親和女子大学准教授の平尾剛先生と

福井県立大学奥西栄介先生の対談という形でした。テーマは

「ボールをつなぐ ケアをとおして心をむすぶ」

 ~ラグビーフットボールに学ぶケアマネジメント~

非常に示唆に富む対談でした。稲松なりの雑感を、、、


先ずラグビーは、楕円形のボールを前に前に進めてゴールに着ける、いわば陣取り合戦。

なのに、前にボールを投げては行けないという理不尽なルールがあります。

これは、ケアマネジメントという対人援助においてもそんなに簡単に前に進まないのと似ている気がしました。

支援を前に進めるときには、時にアセスメント等で過去の経験等を踏まえるようなプロセスが必要だからです。


だから、少しでもそのプロセスを効果的なものにするためにフォーメーションを考え作戦を立てます。

このことは、ケアマネジャーがプランを立て共有するプロセスと重なります。


ここで平尾先生は「フォーメーションの中でプレイするプレーヤー個々の個性があって

ある程度自由な動きが求められる。それぞれのプレーヤーの個性も尊重されないと、

プレイがつながっていかない」と言われたのです。

そして「その積み重ねがゴールにつながる」とも。

ということは、デイサービスやヘルパーさん、訪問看護師さんも

ケアプランの中である程度自由に動く裁量があり、しかも個性があって当然ということです。

それが認められないと支援の継続性が損なわれてゴールには近づかないのかもしれません。

個々のプレーヤー同士が個性も理解し得るから信頼関係が生まれる。

ケアマネジメントチーム内において、それぞれの個性どころか、

下手をすると、個々の専門性の理解にも至っていないケースがあるのではないでしょうか?


ただし、個々の個性が認められる大前提として「ある一定のレベルが必要であること」と

「守らなければならない一線(ルール)があること」は知っておかなければなりません。


クライアントの生活が連続したプレーの積み重ねによるのであれば、

その個性的な連携・プロセスこそ重要になってくると思います。

その個性を認めるためには、個性を理解するためのアセスメントが必要ですし、

自分自身もまたプレーヤーである以上、自分自身の個性もアセスメントして知る「自己覚知」

の必要性が重要であることにつながってきます。


ラグビーはスポーツですから勝負がつきます。

でも、試合が終わるとノーサイドといって敵味方はなくなります。

そこに残るのは勝ち負けではなく「いい試合やったね」というプロセスです。

我々の支援の最後も結果ではなく「いい人生やったね」といってもらえる

プロセスを支えることのように感じました。

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