2017年3月17日金曜日

答えは創り出すもので、正解はない。


昨日・一昨日と介護支援専門員実務研修の演習指導でした。

前期の7日目、8日目は前期の最終コーナーで、

プロセス通じてい必要になる「説明と合意について」

「サービス担当者会とチームアプローチについて」

「モニタリングと再アセスメントなど」

についてでした。


それぞれの単元について、

ロールプレイやグループ演習を通して

大切なポイントや留意点などを学んでいきます。

知識について学ぶことはもちろんですが、

実践するための技術としてコミュニケーションスキルも求められます。

模擬事例を使用して進めていくのですが、

各演習で、答えは出していきますが、正解はありません。


バイステックは「ケースワークの原則」の中で、

ケースワークは、対人援助の技術であることを言っていますが、

この技術という言葉にアート(Art)という言葉を用いています。

日本語にすると「技術」というより「芸術」と訳す方が多いと思います。

芸術だとすれば、作品としての形(ある種の答え)はあるのですが、

これのみが正解(1+1=2)というようなものはありません。


受講生の皆さんは、非常にまじめで熱心に取り組んでおられるのですが、

何か、正解を求めてらっしゃるようにも感じました。

試験重視の日本の教育システムの影響もあるのかもしれませんが、

社会福祉援助の場合はあまりそぐわないと感じています。

だからこその面接であり、関係性の醸成であり、

合意作業の繰り返しなのです。


そう、決して先に答えが用意されていて、

それを見つけ出す作業ではありません。

答えを創り出す作業なんです。


答えはあるのですが、唯一の正解はないのです。





4 件のコメント:

ばたあし さんのコメント...

講義を受けさせていただきました。
正解を求めずに、利用者さんと一緒になって考えて答えを出していく、
ケアマネの実務に就くかどうかわかりませんが、そんな感じでやって行きたいと思います。

※1月の講義後にもコメント入れさせて頂きました。
「上手に対応できるかも」という私のコメントに「上手にではなく丁寧に」と回答して下さいました。
ありがとうございました。早急に結果を求めず、まず真摯に向き合い考えることを基本としたいと思います。

macoto さんのコメント...

親愛なる ばたあし様
1月にもコメントをくださった方ですね。
またまたのコメントありがとうございます。

ケアマネジャーであろうと、ケアワーカーであろうと
対人援助のお仕事は、性急に対応するものではないように感じます。

本来、人間は自然の流れの中で生きるものですから。
その歩みも急ぐ必要はないと思います。

大切なことは、進化したいと思うこと。
「ゆっくりと 前向きに」です。
「あせらない あわてない あきらめない」
と唱えながら参りましょう。

季節が移ろう時期、ご自愛ください。
今後とも、よろしくお願いします。
稲松 拝

匿名 さんのコメント...

「答えは創り出すもので、正解はない」という表題にぴったりです。

ターミナルケア実践に向けて、まさしくスタッフ一人ひとり個々の気持ちの中で葛藤が見えます。
在宅復帰を方針とする中で、地域包括施設の役割を担うことも意識しながら多様に支援をしている(時代や制度の流れの中で、このように表現すると日々の思いが少ししっくりくるのかなあと言葉をつかいつつ)中で、ターミナルケアの取り組みです。

スタッフからはやはり、「答えを教えてのほしい」との声が出てきます。  対人援助に答えはないと返しつつ、それだけでは気持ちの葛藤をそれぞれが整理することはできないので、言葉にならない気持ちや言葉にしてしまい周囲の気持ちをさらに混乱させてしまう様子を整理しながら、そこに合意という言葉を使いながら、答え(方向性)を作り出しすしかないのです。 私たちが作り上げたターミナルケア指針を柱とし、忘れてはいけない視点はその利用者が人生の終末をよりよく過ごせるようにであって、その家族支援も含めてその人の週末支援だと考えると自ずと何を今すると良いのかが見えてくるはずとケアマネジャーの私は伝えつつ。 
 今の私の気持ちにぴったりの表題でした。  施設ケアマネの役割の一つにより良い利用者支援をするために、スタッフ間の調整があると日々勤しみ、紙の上でケアプランを作ってる人(時間がうまく使えずほぼこのような状態ですが)にならないように、施設ケアマネへの理解が乏しい中、発信しつつ打ち砕かれつつ11年目の春となりました。

 稲松さんのブログのファンの一人です。これからも、発信される言葉から自らの働く姿を振り返り、言語化する力に変えていきたいと思います。

macoto さんのコメント...

親愛なる 匿名さま
素敵なコメント、ありがとうございます。

本文中にも書きましたように、
社会福祉援助は、アートですから
支援は、一つの作品なんですね。
しかも、クライアントがメインプロデューサーであって
支援者は、スタッフです。
一つのドラマや映画が、数多くのスタッフの力でできあがるように
対人援助も多くの人たちの関わりの中で
チームとして成り立ちます。
その調整役が、ケアマネジャーの大きな役割だと思います。

また、クライアントの物語の最後だけが作品ではないように、
クライアントの思いを中心に
協働によって創り出されていく
プロセスそのものが作品ともいえます。

匿名さんのおっしゃっていることに
とっても同感です!


最近、毎日更新されていないのですが、
少し前みたいに何ヶ月も書かないことは
しないつもりですので、
応援してくださいませ。
今後ともよろしくお願いします。

稲松 拝