当然、クライアントのことを理解しようとするのですが、
様々な情報をもとに
「あ~、この人はこういう人なのかもしれない」
と思うことはよくあります。
例えば、
「小さい時の事故で障がいを負ってしまったけれど、
両親は大切に育ててくれ、本人いわく『いい育ち』、
勉強に励んで大学まで行き、留学もした。」
こういう情報から、
このクライアントをどのように理解していくだろうか。
このクライアントが、ケアマネジャーやヘルパーに対して
高圧的で、細かいことまで支持を出し、
できないと感情的に怒りをあらわにする。
そうすると、成育歴の情報と現状の言動から
幼い時に障害を負って、対人関係が上手くいかず
両親に甘やかされて社会性が育たなかったから
人に対して高圧的で、自分勝手な人になったのだ。
と理解してしまったりします。
ここで注意したいのは、語尾の「・・・なったのだ。」
です。これは断定のかたちです。
この理解の仕方は、今ある情報から推測したものであり、
断定できるものではありません。
「・・・なったのかもしれない。」というのが正解です。
そこからもう一つ深く理解しようと考えるとすれば、
幼いころに障がいを負い、対人関係がについて
どんな思いを抱いて育ってきたのだろう?
障がいを持ったわが子に対して両親はどのような思いで向き合ったのだろう?
どのような思いで勉強に励み、学齢を積んだのだろう?
他者に対して高圧的な態度をとる本当の理由は何なんだろう?
というような考察から、じっくりとクライアントに向き合う必要が出てきます。
そうして、自分の諸所の仮説がどうだったのかを検証するのです。
思い込みで理解してしまうと
向き合い方が固定されてしまい。
人間関係に広がりが生まれません。
当然、信頼関係は醸成されることはないのです。
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