2016年5月27日金曜日

お互い様の心


昨今、

地域包括ケアシステムの話をするときなど、

「自助・互助・共助・公助」とよくいわれます。

私自身も、講演等で使用するフレーズです。

私のイメージとして、

国や行政は、自助や互助について熱く語りますが、

共助・公助についてはあまり語りません。

まっ、財源のこともおありでしょうから、

致し方ないことではありますが。


自助の部分は、

「できる限り、自分でできる部分は頑張ってください」ということで

至極当たり前のところなんですが、

なかなか難しいのは「互助」の部分です。

要は「お互い様」という関係性ですよね。


世間を見渡してみて、

お互い様がどのくらい通じるのかです。

先日テレビで、熊本の避難所からのレポートがありました。

「ここの避難所は、皆さんがお互い様の精神で助け合っているのでよかったです」

というような発言が聞かれ、素直に「よかったなぁ」と感じていたのですが、

一方では、

上階の子どもの足音が気に障るので、母親と祖母を刺殺したとか、

近隣の保育所の「子どもの声がやかましい」と怒鳴り込んでみたり。


もちろん、嫌なことを何でも我慢しなさいというのではありませんが、

「お互い様」の気持ちを実践するということは、

最初に、違うということを認めるところが必要だと思います。


「お互い様」は、それぞれ同じようなものだから、

助け合いましょうではなくて、

「お互い、違う部分もありましょうが、力を合わせましょう」

だと思うのです。


「お互い様の心」とは、

実は、もっとスケールの大きな話だと感じるのです。

ボランティア活動の根底にある

「大きな命のつながりのために活動する」といった考え方。

福祉行政だけではなく、

学校教育・家庭教育・社会教育の場面で

そういった考え方を育まない限り、

「地域包括ケアシステムの構築は、

絵に描いた餅のようになるんじゃないかなぁ」

って思います。

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